君想歌

「今すぐじゃないよ?」

何でそんなに笑って居られるの?


目の前で変わらぬ笑みを
浮かべる吉田に頭が混乱する。
自分の命が終わると知って
正常で居られる人なんて
まず居ない。

でも目の前の吉田はどうだ。

落ち着き払った態度は
前から覚悟していたから、
なのか。


「近々……ね。
俺、新撰組と衝突することに
なると思うから」


「……嫌」

吉田の言葉に首を左右に振り
彼の着物を掴む。


いっそこのまま離さないで
しまおうか。


「俺も嫌。
沖田や土方に殺されるのはね」


その手を敢えて離そうとはせず
吉田は手のひらを重ねる。


「俺って幸せだと思わない?」


吉田は和泉の背に手を回すと
そう尋ねた。


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