君想歌

そんな二人を後ろから
団子状になって覗く人影。


「あ!歩いて行くぜ!」

「追いますよ!」

「……止めろ。二人とも」


上から藤堂、沖田、斎藤。

斎藤は見回りが終わり
物陰で不審な動きをする男に
声を掛けようと立ちよったのだ。


あろうことか和泉の様子を
観察する組長だったのだが。


二人の後ろで斎藤は呆れて
溜め息を吐いた。


一歩踏み出そうとした二人の
後ろ姿に声が掛かる。


「てめぇら……。
何してやがる……」


地を這うような声と共に
二人の襟首が同時に掴まれ
頭に拳骨が落とされる。


「ふざけんじゃねぇっ!!
人の逢瀬を邪魔すんな!!
斎藤。藤堂を捕まえとけ」


本人の意思など無視した鬼、
もとい土方は沖田を屯所に
引きずっていく。


「御意」

小柄な藤堂の身体を抱え上げ
斎藤は土方を追った。


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