君想歌

「ん……。俺は散り際かな。
何か好き」


明確な理由なんて無いけど。

散り際が好き。


納得いかないよね、と思いつつ
視線を少し下げる。


しかし予想とは裏腹に和泉は
肩を揺らして笑っていた。


でも心の中の不安な気持ちは
栄太郎と時を過ごしていくに
つれて膨らんでゆく。


ぱっと自分の目の前から
消えてしまいそうで。



まるで桜の散り際と同じように。


不安そうな和泉の横顔に
吉田はほんの少し腕の力を
強くした。