君想歌

枕を両手で抱き目を擦っている
和泉は山野の着物を掴む。


「八……。大丈夫だった?」

「へ?大丈夫ですよ。全然」


山野は手際よく和泉の布団を
たたみながら答える。


「そ……」

「あぁっ!?寝ちゃ駄目ですっ!!
午後まで待ってください!!」


枕を取り上げて肩を揺する。


最近、和泉は寝起きが悪い。


まあ原因は寝不足なだけだが。

枕を持ったまま寝ることも
しばしば。

それを取り上げて用意された
着物を押し付けるのが山野の
毎朝の仕事。


「む……眠い…眠い」


ぽ〜っとしている頭を二三度
振ると袴に着替え始めた。


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