君想歌

大して土方に怒られなかった
事は予想外であった。


自室に入ろうと手を襖に掛けた
和泉の肩を叩いた人物に小さく
悲鳴を上げた。


「わぁっ!!びっくりした!」


「すまぬ」

シュンとしている斎藤に
和泉は無意識に止めていた
息をゆっくりと吐いた。


「何か?」

「いや。山野がな……」


言いにくそうに口ごもった
斎藤を部屋に招きいれるため
襖を開けた。


「ごめん。ちょっと待って」


素早く室内に入ると
和泉は行灯に火をつけた。


そして散らかった物を
引き出しに押し込む。