君想歌

しくじった。

煙玉か。


視界が遮られる中いつ攻撃が
来ても良いように体勢を低く
するも気配の欠片も感じられない。


「怒られるな」

刀を鞘に納めると羽織を
着直す。


「和泉〜。
逃げられました……って
どうしたんですか?」

塀に背を預け土方への言い訳を
考えている和泉に沖田は
怪訝そうに眉を寄せた。


「桂小五郎に逃げられた」


「えぇっ!?
和泉がですか?」


驚いたのと意外であったのとで

沖田は目を丸くする。


そんな時に和泉の背中に
激突した人物が一人。


仲間と居ることで完全に
防御体勢を取っていない
和泉は情けない声を上げた。


「和泉さんっ
大丈夫ですか?
怪我はぁぁ?」


「うるさい」


沖田に襟首を掴まれているのを
気にも止めず安否を確かめる為
叫ぶ山野。