君想歌

*吉田栄太郎*



高杉が逃げ出した部屋の襖は
開けっ放し。


開けたら閉めろ、って
習わなかった?


手を伸ばして襖を閉めると
行灯をつけた方が良いくらい
部屋は暗くなっていた。


でも隅に置かれた行灯に
灯をともすのは億劫。


結局、畳に寝転がる。


「……監察かぁ」


どうしようか。


今の本心。


和泉にバレたくない。

その気持ちが計画の漏洩より
上回る。


俺が長州って分かったら
和泉は、どうするのかな?


俺は斬られるの?


逆に俺が。


和泉を斬るの?


どれだけ考えても
答えは出ない。