君想歌

和泉が見えなくなると吉田は
自分の膝に肘を立てると悠を
見やる。


「俺たちが考えてる計画には
悠は加えない。
二人が参加してしまえば、
もしもがあった場合に支障が
出るからね」


すっと目を細めた吉田だが
胸の内は複雑である。


無論、前と比べると幾らか
迷いが出ている。


「ね……悠」

「はい?」


使われる事の無かった湯飲みに
悠はお茶を注ぎ差し出す。


「また和泉から大事な人を
奪うのかな?」


自分が死ねば、
和泉はどうなる?


「俺が一番分かってるのに
俺が、それを繰り返すのかな」


窓から差し込む夕日が
吉田の憂いを帯びた表情を
照らした。