君想歌

父親の面影を色濃く残す悠に
引っ付いて離れない和泉を
後ろから誰かが引き離す。


背後から伸びた両手はしっかり
和泉のお腹に回されている。

「むぅ……。
俺の和泉を独り占めしないでよ」

子供のような言い草で和泉を
膝の上に乗せ悠を不機嫌そうに
口を尖らせる吉田。


「違いますって!!
和泉さんが勝手に飛び付いて…」

「それでも駄〜目」


んな理不尽なぁ……。と
吐息混じりに悠は漏らす。


「俺の和泉だから。
ところで和泉。
巡察はどうしたの?」



ん?

巡察?


「あ。忘れてた」


ぺしりと頭を吉田に叩かれ
弾かれるようにして悠の家を
出て屯所に帰る。