君想歌

「何か気になる場所でも?」


廊下を歩きながら沖田は
和泉に訊ねた。


「へ?」

「和泉の反応が違った気がして。
気のせいですか?」


的を得た沖田の問い掛けに
どう返すべきか口ごもる。


「……いや。何でも無い」

「そうですか。
別に斬り合いになったとしても
僕が和泉を守りますから」


にっこりと笑うと沖田は
壬生寺へと遊びに行った。


その後ろ姿を見つつ、
和泉は目を伏せた。


もしも。


栄太郎が長州側ならば。


自分は、斬るのか?


栄太郎を?


その選択は無理だ。


せめて違うと願いたい。