とうに宴会は終わり、
隣からは斎藤と井上が話す
小さな声だけが聞こえてくる。

「土方さん……」

「あぁん?」


膝を抱えたる沖田を横目に
土方はぶっきらぼうに答えた。

昔から変わらない。

迷った事があると土方に
相談するところ。


「和泉が私に本当のことを
話してくれないのは僕が
頼り無いからなんでしょうか?
それとも信頼されて…わわっ」


沖田が言い終わる前に
ボスっと鈍い音がして
傍らに枕が落ちる。


「………そーじ。
私が信頼して無いって
どういうこと?」


枕が飛んできた方向を見れば
頭を押さえた和泉がキツく
此方を睨んでいる。


「私がこの組に入ったのは
足を引っ張る為でも無いっ。
信用して無いならば総司に
命なんて預けないっ」


バシッと布団を投げつけると
足早に部屋を出て行った。


「馬鹿野郎が。
瀬戸がお前を信用してない
なんて有り得ないだろ。
さっさと謝って来やがれ!!」


土方に背中をどつかれ
沖田は渋々、和泉を追った。