君想歌

え、何それ。

いやそんな訳無い。

嘘だよね。


でも栄太郎は用意周到に
土方に手紙を送っていて。



……不味くね?

もしもし土方が。


栄太郎に文の返事をしたら。


駄目だぁぁ!!


和泉の脳内では、

じゃ、会うのはお預けだね?

と栄太郎の声が再生され。


山崎を一瞥すると、
無言で屋根から下りていく。


「ぶはっ!!
姉ちゃん、面白っ」


滅多に感情を面に出さない
山崎の笑いが治まったのは
しばらくしてから。


そしてまんまと山崎に担がれた
和泉が鬼の部屋に自ら飛び込み
撃沈する。