君想歌

という稔麿の声が左から右に
通り過ぎて。


「うわぁぁあっ!!」


稔麿が懐刀を真っ直ぐ俺に
飛ばして来やがった!!


「……残念」

ボソリと言うと、
食事に箸をつける。


「俺の命、消す気かぁぁあ!?」


酒を溢す勢いで叫べば
刀が抜かれちゃったんすけど。


「一、俺に斬られる。
二、斬られる前に黙る」


「……………」


すいません。

黙ります。



こんな事で殺されちゃ
たまったもんじゃねぇ。



「で、何があったか教えてよ」


カタンッと箸を置くと
胡座をかいた膝に肘を立てた。