君想歌

ご丁寧に俺の魚で悠に骨の
取り方を教えている稔麿に
溜め息をつく。


いつものことだ……。
俺よ、我慢しろ……。




嫌がらせのつもりか皿に魚の
代わりに盛られた漬物の山に
箸をつける。




楽しそうに稔麿と談笑している
悠から高杉は目を反らす。





悠は気付いてんのか?


桂さんに抗議する際、
長州が隠している事実に
俺は偶々気付いちまった。


――数年前に起きた事件。


目撃して首を突っ込んだ
稔麿に口添えされ狗に
助けられた娘。


アイツ、和泉にはまだ
生き残った家族が居る。