君想歌

悠が吉田の部屋に来ると、
時刻は少し早いが酒を飲み
始める。


と言っても吉田は酒の肴を
箸でつつくだけだが。


見掛けによらず吉田は意外に
酒は下戸。

なにより酔えば刀を振り回す。

酒を飲ませるのは極力避けた
方がよい。


チマチマと魚の骨を取っている
吉田を横目に見つつ高杉は
酒を煽る。


「見て見て。
悠、綺麗に魚の骨が取れた」


「えぇっ!?どうやったんですか?」


吉田が箸に挟んだ骨を見た悠は
目を丸くする。


餓鬼みたいな会話をする稔麿と
悠に口元を上げると高杉も
酒の肴へ箸を伸ばした。


「だぁぁあ!?
俺の魚はどこだっ!?」


皿の上には骨だけしか
残っていない。

身を付ければ魚に戻りそうな
それは確実に稔麿がやったと
分かる。