屯所の裏手側で吉田と別れる。

監察方が使う部屋に近く
人目につかない出入口。


なおかつ和泉の部屋にも近い、
それが長所でもある。


「おわっ!!」



ただ。

とてつもなく、足場が悪い。



周りにあった物を上手く使い
地面に足をつく。


「何してやがる」


「あ、土方……」



仏頂面で和泉を上から睨む
土方に乾いた笑いを漏らす。


「何が土方だ!このド阿呆が!」


パシーンッと頭を叩かれ
俵担ぎにされる。


「栄太郎から文が届いてる。
安心しろ。
見張りもつける」



「栄太郎の馬鹿〜!!」


傷も完全に治ったわけでも
無いのに、そこらじゅうを
歩き回るから、よろしく。


との文がしっかりと土方の元に
届けられていたのが理由。