君想歌

目を開ければ朝と変わらぬ
天井が視界に入る。

「……ん?」

「和泉〜。
随分遅いお目覚めだね〜?」


隣に膝に肘をついて和泉を
見下ろす栄太郎。


布団から起き上がろうとすれば
何故か肩を押さえられる。


「あの、栄太郎?」

「キミは馬鹿?」

怒っていらっしゃる!?
どうして?


動かした左足に鋭い痛みが走り
ようやく理解する。


顔を歪めながら謝った和泉に
吉田は、ほっと一息ついた。


「はい!!
見せつけないでください。
和泉さんは動かないっ」


すっかり存在を無視されていた
悠は口を尖らせて手を叩く。


「いっだぁぁあ」


傷を消毒され隣に座る吉田に
飛び付いた。


「色気もない……」

上半身を起こし、完全に涙目で
しがみついている和泉の背に
吉田は呆れながら手を回した。