君想歌

*才原悠*

「はっ!寝ちゃった?」

すっかり暗くなった室内で
悠は目を覚ました。


部屋を見回すも窓側にあった
高杉さんの姿が無い。


自分の上に掛けられた羽織を
綺麗に畳んで端に寄せる。


物音を立てないよう
隣の部屋に続く襖を開けた。


「ありゃありゃ……」


和泉さんの隣で吉田さんは手を
握ったまま寝てしまっている。

掛けられていた羽織をそっと
掛けると和泉さんの状態を診る。


「明日には目を覚ましますね」


ただ血が足りないので
きっとフラフラ状態ですが。



藩邸近くに構えている家に
高杉さんが血相を変えて
飛び込んできた時は驚いた。

「新撰組の女だが診てくれるか?」


多分俺が首を横に振ると
思ったのだろう。

患者には敵も味方も関係
ありませんからね。

快く了承しました。