君想歌

和泉の傍を少しだけ離れ
隣の襖を開ける。


部屋の端で丸くなって寝ている
悠を眺めていた高杉は視線に
気が付き立ち上がる。


「目ェ覚めたのか?」

「まだだよ」

溜め息混じりに言葉を吐くと
再び吉田は和泉の傍らに座る。

「誰が和泉を狙ったの?」

布団の上の小さな手を握ると
高杉に問い詰める。


「正確には桂さんが、だ」


高杉が言った名を聞いた
吉田の手に力が入る。


「なんで?
和泉は俺たちに何かした?」


「してねェな」


お互い何も不利益になることは
一つもしていない。


それにも関わらず。
和泉は狙われて怪我をした。