君想歌

くしゃりと前髪を掴めば
口に血の味が広がる。


お洒落した理由が聞けない
じゃないか。


着物は晋作が血で汚れる前に
失礼承知で裾を上げたらしい。

「なにさ……」


せっかく熱も下がったのに。

和泉の頬を撫でる手がぴたりと
止まる。


「和泉を狙ったのは誰?」


忍?
クナイに毒?

まさか。
桂さんが?


隣の部屋に居る高杉に問うため
吉田は身を起こした。