塀に手をついて顔を歪めて
荒く息を繰り返す女。
稔麿の女だっ。
勢いのまま、地に倒れかけた
身体を抱き止めると短刀を
屋根に向かってぶん投げた。
やべぇ……。
忍が投げたクナイには毒が
塗ってあったらしい。
既に色を失った顔とは逆に
左足首からは血が瞬く間に
地面に広がる。
「玄瑞は……無理かっ?」
幕府の狗の女なんて、
診てくんねぇか?
落ち着け。
まず、安全な所につれていく。
それが先決だ。
力が抜けた身体を抱き上げると
旅籠までの道を一直線に駆けた。
*
.
荒く息を繰り返す女。
稔麿の女だっ。
勢いのまま、地に倒れかけた
身体を抱き止めると短刀を
屋根に向かってぶん投げた。
やべぇ……。
忍が投げたクナイには毒が
塗ってあったらしい。
既に色を失った顔とは逆に
左足首からは血が瞬く間に
地面に広がる。
「玄瑞は……無理かっ?」
幕府の狗の女なんて、
診てくんねぇか?
落ち着け。
まず、安全な所につれていく。
それが先決だ。
力が抜けた身体を抱き上げると
旅籠までの道を一直線に駆けた。
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