君想歌

ヒュンッと目にも止まらぬ
速さで飛んできたクナイは
和泉の左足首をかすめる。


「いっ……」

ガクンっと体勢を崩すが、
持ち前の運動神経で立て直す。

「え……」


ぐらりと目の前が揺れ、
隣にあった塀に手をつく。


「…な……に………?」


徐々に遠くなっていく意識に
耐えきれずに崩れ落ちる。

そんな和泉を左手一本で支え
屋根に向かって男は短刀を
投げる。


「何してやがるっ」


怒号にも似た声を聞く前に
和泉は意識を飛ばした。