君想歌

い…いつのまに。

「口止めされとったんやけど、
言わな説明がつかへん」


山崎は眉を下げて念を押す。


「沖田さんにバレてしもうたら
俺真っ先に斬られてまうから
頼むで〜?」


「分かった」


着物の柄は土方が反物から
仕上げさせたらしい。

帯は女に興味を持たない沖田が
一生懸命選んだという。


「簪一本で止めとるんや。
あんまお転婆すると、
ほどけてまうから気いつけ」


髪を結い終えた山崎は軽く
手を振り部屋から出ていった。


「総司が?帯ね……」


藍を好む和泉の性格を知って
土方は反物を選んだのだろう。

沖田はそれに合うようにと
薄い色の帯を。


「栄太郎喜ぶかな……?」


一人楽しそうに笑う和泉を
幹部たちは嬉しそうな表情で
隣室から見ていた。