君想歌

畳に寝転がり本を読んでいた
山崎は襖が開くと顔を上げた。

「えらい騒ぎになっとるなぁ」


風呂場から絶え間無く破壊音が
響いてくる。

こりゃあ、風呂は今日は
使えないだろう。


天井が無くなり吹き抜けの
露天風呂に入る物好きだけだ。


永倉さんとか入りそう。
左之さんも平助も。


「丞くん、何か仕事?」


髪を拭く手を止めると山崎に
向き直る。


「ちゃうちゃう。
まぁ、大人しくしとり」


「…………は?」


たっぷり三呼吸分の間の後、
間抜けな声を出した。