君想歌

薄い羽織を肩にかけ風呂を
出ると入口で沖田に捕まる。


「凄い物音がしましたよ?」

和泉の手を掴み眉を下げている
沖田は物音を聞いて部屋から
飛び出してきたらしい。


後ろには木にもたれた土方が
こちらを見ていた。


「天井裏に鼠が一匹。
気絶してますよ」


煙管片手に土方はニヤリと
口角をあげる。


「覚悟は出来てるようですね」

フッフッと笑った沖田は刀を
鞘から抜き風呂場へと入って
いった。


哀れ……、半殺しにされるのは
間違いないだろう。



修羅場になるだろう風呂場に
背を向け山崎の待つ部屋へ
足を進めた。