君想歌

どうやら甘味屋の帰りに
遠くに和泉の後ろ姿を見つけ
全力で走ってきたらしい。


沖田の言葉に、はっと角を
振り返れば着けていただろう
人物は居なくなっていた。


今回ばかりは総司に
救われたと言うべきか。



「ありがとう」

「え?何がですか」

こてりと首を傾げる総司の
手には新しく団子が
持たれていた。


いつのまに……。


「その前にっ!!
貞操とか食われたってなに!!」


ぐいっと総司の胸元を掴み
投げ飛ばさんとする勢いで
せまる和泉に後ずさる。


「あわわわっ!!
土方さんに届いた文に
書いてあったんですっ」

そのせいで僕が八つ当たり
相手にされたんですよ!?

沖田の言葉は和泉の耳には
入っちゃいない。


「栄太郎ぉぉお?!」


夕方会ったときには必ず
畳に沈ませてやると
胸のうちで誓った。