君想歌

決められた門限までに
何とか屯所の門をくぐり
息を吐く。


改めて言う。

和泉は一番隊隊長補佐という
組でも重要な役割にいる。

沖田が巡察なら和泉の同行は
当たり前だ。


「和泉ぃ。
飯食べる時間、
無くなっちまうぜ?」


ひょっこり顔を見せた
和泉とさほど変わらない身長の
八番隊隊長の藤堂平助。


理由は子犬みたいな外見で
とにかく可愛い。


本人はそう言われるのを嫌うが。


藤堂も一番隊と同じように
夜の巡察に当たっている。

もう食事を終えたのか
余裕そうにしていた。


「わ…分かってる!!」


和泉は下駄を脱ぎ捨て
勝手場へと転がり込んだ。