君想歌

これだけ気配を抑えられ
尚且つ一人。


それだけの手馴れか?


たまたま帰り道が同じ。


それならば気配など
抑える必要は無い。


「……」

ここから壬生までは人気が
少ない道を歩くことになる。


結局ここまで気配は
離れなかった。


完璧に標的は和泉だ。



「和泉ぃぃい!!」


「え?ぎゃぁぁあ!!」

後ろから凄まじい速さで
こちらに突っ込んできた
人物に悲鳴をあげる。



「食べられてませんか?
無事ですか!?貞操は?」


「自重しろぉぉぉい!」

ガッツーンと和泉は
見慣れた頭に拳を落とす。


「酷いです!!」

つぶらな瞳で見上げてくる
沖田に見えてはいけない
ものが見える。


垂れた尻尾と耳。


柴犬じゃ……ないよね?
総司は。