君想歌

寝過ぎだと分かる身体だが
休みがなく溜まっていた
疲れはすべて飛んでいる。


「どうせ。
年明けるまで暇だから」


旅籠の玄関先で栄太郎は
別れ際にそう言った。


いつでも来て、と言葉の裏に
隠された意味。


夕方にでも行こうか、と
思い歩く和泉は後方に意識を
向けた。


「…………?」


着けられてる?


分からない。
判断が出来ない。


でも誰かが居る。


和泉の右手が腰の刀へと
移動する。


いつでも抜けるようにと。