君想歌

手紙の最後にいくにつれ
土方の形相がみるみる
鬼のように変わっていく。


「あんの…野郎……っ」


熱を出したから休ませる、
そこまでは良かった。


だが問題はその後だ。


和泉だけど。
食べちゃったらごめんね☆


「ふざけぇんなぁぁぁぁぁあ」


怒りのあまりにびりっと
左右に手紙を引きちぎる。


ムカつく!
なんかムカつくっ!!


その怒りの矛先は
沖田へと向いた。

「総司ぃぃぃい!!
巡察サボってんじゃねぇぇえ」


屯所を揺らすほどの怒号が響き沖田の部屋の襖を土方は
蹴り飛ばす。

「あはは〜」


この日、夜更けまで土方たちの
鬼ごっこは続いたらしい。