君想歌

あぁぁぁん?!
外泊許可出したその日から
居ねえだと!?

やりやがるな。

「和泉ぃ……」


和泉は門限を過ぎても
帰る気配がまったく無い。


正確には寝ているので
帰れない、のだが。


「土方さぁん」


廊下で門の方を見ていた
土方を見つけた沖田が
何やら手に持っている。


「和泉からですよ?」


総司から差し出された手紙を
引ったくるようにして
受けとると部屋へと帰る。


差し出し人は和泉じゃねぇ。


あんだけ和泉の報告書を
見てりゃぁ、覚える。

和泉の字は丸っちい。


となれば。

「栄太郎ってやつか」



がさがさと開いて手紙に
目を通す。