君想歌

部屋の端っこに寄せておいた
俺の布団を敷く。


別に晋作のでも良かったけど、
俺が嫌なだけ。


髪紐をほどくと和泉を布団に
寝かせる。



様子を察したのか旅籠の女将が
水を持ってきてくれる。


水に浸した手拭いを絞って
和泉の額に乗っける。


「……ん」


「起きた?」


目を覚ました私を栄太郎が
心配そうに覗き込んでいる。