肯定をしているような反応の
和泉に吉田は苦笑いする。


「逃げないんですね、吉田さん。
私、有名なはずですけど」


大抵名を言えば去っていくのが
殆ど。


吉田は逃げるどころか。

面白いものを見つけたように
和泉に話しかけてくる。


「あれ?逃げた方が良い?
今は隊服着てないから、
仕事をじゃ無いんでしょ。
それに栄太郎って呼んでよ」


「そ…ですけど。
え…栄太郎は変わってるなと。
人殺しって罵倒される事だって
少なからずあったから」


間違いないですけど、と
自らを嘲笑する。

和泉の頭を慰めるように
吉田はそっと撫でた。