私の目から次々と溢れだす涙。


それでも彼は顔をあげてくれない。


そっか・・・。


もう本当にお別れなんだね。


「・・・敦、女・・・できたん・・・でしょ・・・?」


必死に言う私に彼は顔を上げた。


・・・--すごく、苦しそうな顔していた。


「・・・」


なんか言ってよ。


『嘘だよ』とか『そんなんじゃねぇよ』って言ってよ。


それじゃぁ認めてるじゃん・・・。


「敦のバカ!!!
もう二度と会いたくない!!
二度と口ききたくない!!
もう二度と、私の前に現れないで!!」


敦に通学鞄を力いっぱい投げつけ、私は家へ走った。


敦は悲しいような苦しいような顔をして、涙を目に浮かべていた。


・・・敦は、追ってこなかった。


どこかで期待していた。


絶対追いかけて来てくれるって。


追いかけてきてもくれないのに、敦のあの表情に複雑な気持ちになる。


敦は、別れたかったの?


別れたくなかったの?


わけわかんないよ・・・。