12月の普通の日《短編》




【相崎 敦】




あつ・・・し・・・?


そこに書かれていたのは私が待っていた人の名前で。


「お母さん・・・」


お母さんは泣いていた。


私もつられて泣いてしまう。


「何泣いてんのよ!」と、笑いながら私の頭を小突くお母さん。


やっと、この日が来た。


敦、待ちくたびれたよ。


けど、案外短かったよ。


やっと、愛しのあなたのもとで暮らせる。


あなたと別れた12月がまた今年もやってきて。


私たちに運命をくれたね。


クリスマスの軌跡でも、初雪の軌跡でも何でもない。


普通の日の、奇跡なんだね。


霙が降ったり、星空が見えたり、快晴になったり。


冬の空は私たちに運命と奇跡をくれた。


敦・・・。


これからも、この幸せを大切にして2人で一生歩んでいこうね。


私はそっと封筒を開けた。


窓の外には粉雪が、舞い踊っていた。





【END】