電話を切ってから、約5分後。




部屋をノックする音が部屋に響く。




「誰だ。」


「俺。悟だよ。」


「……どーぞ。」



少し古びた音を立てながら開くドアから

サト兄が顔を覗かせる。




静かな部屋に
サト兄の足音だけが響き、

あたしが寝転がるベッドの横で止まった。



「藍が好きなマカロン。食うか?」


差し出された桜色のマカロンを
手に取って口の中に放り込む。


噛んだ瞬間
イチゴの味が口の中に広がった。



あたしは、重度の甘党なのだ。




あたしのことを良く理解しているサト兄は

結構好きだ。


圭兄は……言わないでおこう。