「…つーことだな?」
「そうそう!圭くんはまとめ上手だね!」
「日向さんが下手なだけですよ。」
少々呆れ気味に突っ込み、
片桐家の5人に視線を向ける。
「ま。事情は分かったから、この家でしばらく過ごすといい。」
「マジ⁉ サンキューな!圭!」
末っ子の夜江(ヤエ)が
歯を見せてニカッと笑ってみせる。
こりゃ殺人級だ。輝いてやがる。
「そういえば、椎葉家は3兄弟って聞いたけど、あと一人は?」
四男の陸(リク)が、
辺りをキョロキョロしながら口を開く。
「あー。妹なんだけどね。
名前は藍。藍は……」
悟がそこまで言い、
おもむろにポケットからスマホを取り出す。
ポチポチ画面を押した後、
画面を俺たちの方へ向けた。
そこには
藍
テレビ電話呼び出し中
の文字。
約5秒間ほど経った時
悟のスマホ画面に
どアップで藍の顔が映し出された。
恐らく向こうの画面に写っているであろう、俺と
片桐家5人の顔を見た藍は……
酷く顔を歪ませ
素早い動きで通話を切った。


