悟said
一行に動く気配がない兄貴を置いて
玄関へと向かう。
「はーい。」
ゆっくりと玄関の扉を開けると…
「どーもさん。」
ニコッと笑みを浮かべて笑う
薄い金髪のお兄さん。
「オレら、片桐の家のモンだけど。
話は聞いてんの?」
目つきの悪いチャラそうな男。
「いえ。何も聞いてませんけど。
片桐さん…は、何の用ですか?」
「俺等、今日からこの家に世話んなるから。」
「はい…?それはどういう…」
毛先を濃いピンク色に染めた
ロック風の長身男がおれを見下ろす。
冷静でいようと思ったが
突然この家で暮らすと言われて
平常心を保っていられるほど
おれは優秀ではない。
「とにかく外寒いからさ、中で話さない?」
「オレも中がいい!行こーぜ!」
爽やかな笑みを浮かべているが
目は笑っていない男の子と
可愛い容姿に合わない一人称を使う
キュートボーイが
靴を脱いで
スタコラサッサと廊下を走って行く。
仕方なく、残りの3人も家に上げることにした。