圭said
俺は椎葉 圭。
椎葉家の長男。
若い女の子に人気の有名雑誌
『黒蝶メンズ』
の、モデルやってます。
俺、自分でも認めるくらいの
シスコンです。
藍にはよく気持ち悪いって言われます。
1週間くらい凹みます。
今日は久しぶりのオフ。
この無駄に広い家でのんびりする予定。
ふいに、ガチャっと
ドアノブが回される音と共に
悟が顔を出す。
椎葉 悟
俺の弟だ。
「あれ…兄貴。いたんだ。」
「おう。久しぶりだな。
藍は……相変わらず部屋か?」
「あぁ。たまに冷蔵庫の中を見物しに来るけど。」
「そか。んま、元気そーにやってんなら、俺は安心だよ。」
「……仕事はどう?」
「あ?順調だ。お前はどうなんよ?医大生として、頑張ってるわけ?」
「…まぁね。」
悟が少し目線をずらした時、
突然のインターホンの音に
二人とも体をビクつかせる。
先に動き出したのは悟だった。
玄関に足を運び、
ガチャっと音を立てて扉を開けるのが
音だけで分かる。
ふいに玄関が騒がしいと思い始めたのと
リビングの入り口で
仁王立ちをするちっさいのと
目だけ笑っていない冷笑を浮かべる奴と
目が合ったのは
同時だった。
嫌な予感しかしねぇ。