《もしもし》
《優太だよー》
いつも言わなくてもわかってます！
声には出さなくても心の中でつっこんでおいた。
《澪ってさ、彼氏いんの？》
《一応、いるよ。自然消滅しそうだけどね》
ハハッと笑って私が言う。
《そうなんだ、俺もいるよ》
“俺もいるよ”
少しだけ心が痛むのを覚えた。
それに加えて
《遠距離だけどね》
と言った。
優太の彼女の名前は咲って名前らしい。
写真も見せてもらったけど、ほんとうに綺麗な人だった。
黒のロングな髪の毛にぱっちりとした黒い目。
和っていう漢字が咲さんには似合っていた。
恋の話で今日の電話は終わった。
