男になりたい女と女嫌いな男



祈りながら頭に浮かぶのは、冬休みに一緒に勉強した、理央の顔。


真剣に教えてくれた理央。
頭をぽんぽんとなでてくれた理央。



試験本番のとき、ずっと心で繰り返していた理央の言葉。


「大丈夫だよ、純なら」


理央、わたし大丈夫だよね?


理央とおんなじ高校にいけるよね?


祈る手に力をこめる。

「只今より合格者番号を掲示します」


番号の書かれた看板が一斉に掲示された。