「さぁ、そっち座って」 「理央の部屋、綺麗だね」 純がきょろきょろと俺の部屋を見回しながら座る。 「まぁねー。さぁ勉強しよ。純が勉強教えてって言ったんだからね」 「はぁい」 純が俺の家で受験勉強したいって言ったのは数日前。 純の志望校である緑花高校(通称リョッコー)に通う俺に教えてほしいと頼んできたのだ。 別に特に予定もないし、純にリョッコーに落ちてほしくないし 俺は即OKした。 純は入試の過去問集を広げるとシャーペンを持って、問題に取りかかりはじめた。