大の字なんて女がする体勢じゃないだろーけど 体のすみずみまで吹き通る風や、じんわりした土手の優しいつめたさを感じるにはもってこいの体勢なんだよな。 手足を広げ、空を見つめる。 「媚びてなんか・・・ないよな」 今日の昼休みに友季に言われた言葉。 なんとなーく傷ついてしまったぜ。 ここならちょっとは忘れられると思ったんだが。 小説っぽく表現するなら、そうだな・・・ 「深く刻まれた心の傷を撫でるような」風が吹いた。 「まぁどうでもいいか」 ごろんと寝返りを打つと冷たい草が頬を撫でた。