さっきまで歩いてた地面が、もうだいぶ遠い。 風が強い。 もうすぐ急降下だ、楽しみー。あたしはそう思ってるのに、裕也はあんまり楽しそうじゃない。 ていうか、もう周り見てないし。 もしかして、裕也…… 「……裕也??」 「……なに」 暗く、低い声が返ってきた。 ……あー、そっか。やっぱり。