わけあり彼女






「おまえっ、夏樹だろ!?」



その声の主……否、しょうちゃんは、あたしの肩を叩いて驚いたように言った。



「……わたし、夏樹なんてひと知りません。というかあなた、どちら様ですかぁ??」



あたしはそう言って歩いて逃走を謀ったんだけど、
しょうちゃんはそれを許してはくれず、あたしの肩をぐっとつかんで離さなかった。



「……おまえ、夏樹だろ」



しょうちゃんはまっすぐな瞳であたしを見つめて言った。