入らなきゃ。早く、早く中に入らなきゃ
扉に手を触れて、ガラリと横に引いた
「鍵、閉まってたはずなのに・・・」
「────壱護くん。」
壱護くん。ねぇ、壱護くん。
懐かしい気がする
フワリと香った柑橘系の匂いに、泣きそうになった
『・・・冬華』
「・・・・・・みか、る?」
『ああ。』
青白い光に包まれて小さく笑った彼は、驚いてる壱護を見て、また小さく笑った
『・・・テメェも大きくなりやがって』
「み、かる・・・美翼!!」
『・・・・・・ごめんな。残して逝っちまって』
「ほんとに、それだよ。バカ野郎」
ああ、なんだか。
なんだかすごく懐かしい
青白い光を放つ視聴覚室に導かれるように中に入る



