あぁ、愛しの執事様

『執事様』はきれいな形の眉をピクリと動かした。

なおも収まらない女子のグループの騒ぎ。

『執事様』の表情がみるみるかわる。

そして、もう限界だと言わんばかりに口を開いた。

「ウルサい!散れっ」

『執事様』の怒鳴り声にビックリした女子のグループは呆然。

さらにギロリと『執事様』に睨まれ、彼女たちは泣きそうな顔で逃げ出していったのだった。

…確かに冷酷だ。

あんな言い方しなくてもいいのに。

クルリと向きを変え校舎に入っていく『執事様』を見ながら私は思った。