あぁ、愛しの執事様

寸分の狂いもなく整った綺麗な黒髪。

冷たい光を宿す瞳をかくすようにかけられたメガネ。

手には分厚い本を持っていた。

その様子は『王子』の隣に並ぶと確かに『執事』に見える。

でも、なんで『冷酷の執事様』なんだろう?

その疑問はすぐさまわかることになった。

ある女子のグループが『王子』の周りに人が居なくなった途端に近付いて来たのだ。

そして、先ほどのように騒ぎ出した。