あぁ、愛しの執事様




「じゃあ、頑張ってね!」

何を頑張ればいいのかわからないけど笑顔の佐衣に促される私。

ついに来てしまった…

金曜日の放課後が…

どう足掻いても、逃げられないのはわかってるけど。

せめて誰か居てくれたらいいのに…なんてあり得もしない期待はことごとく崩れ去ってしまった。

これからの事を考えてまた、溜め息を吐こうとする私の口をふいに佐衣が抑えた。

「溜め息つくと幸せが逃げていくんだから!」

…………