あぁ、愛しの執事様

なんだか、佐衣の言葉に反論する気力がない。

目の前ではしゃぐ佐衣を見つめながら、自分の恋を思い出した。

確かにずっと片思いで両思いになったことなんかない。

だから、今度は自分を好きになってくれる人を好きになろうと思った。

だから『執事様』は、好きにならない。

それに、鈴木先生にからかわれるのも嫌だし。

そんな事を考えてたら一人の人物が頭に浮かんだ。

そう言えば今日は、龍太が現れない。

でも、話を更にややこしくする龍太が現れないのがせめてもの救いかもしれないな。